しこうけいさつ24じ・広報部

カップリング二次創作の個人サークル「しこうけいさつ24じ」(代表:眠れる兎6号)の活動記録や、日々の雑記など。(Twitter:@nemureruusagi06)

『R-1ぐらんぷり2013』決勝大会 感想

『R-1ぐらんぷり2013』結果速報

本日フジテレビ系列にて全国生放送された

日本一のピン芸人を決める大会

R-1ぐらんぷり2013」の感想。

準決勝前までは一切見ていなく、

決勝も録画で見ただけ。

個人の勝手な偏った意見ですので

ご了承願います&ネタバレにご注意を。

一通り見終わった印象は、

『THE MANZAI2012』の時と同じ感じ。

「え、こっちが最終決戦進出?」と感じた人が

優勝までいくという。

やはり自分のお笑いのセンスは世間一般とズレているのか;

そして、昨年から変更されたルール、

ネタ時間3分というのは果たして良かったのか、

と今年の様子を見て、改めて疑問に思いました。

12人という枠の増加により

芸のバラエティは楽しめるようになった反面、

一人一人のネタ構成に余裕がなくなり、

持ち味を出しきれない人が増えてしまったのでは。

それが、ネタの「小粒感」にも繋がっていると思います。

4分に戻した方がいいのかも。

審査については人それぞれの好みもありますし

とやかく言うのも無粋なのですが、

今年も腑に落ちなかった。

以下、各ネタごとの感想です。

【Aブロック】

岸学 「ダイエットマン」

トップバッターという不利な状況ながら

けっこうお客さんのウケは良かったので、

この人が決勝行くかと思ってました。

ヒーローものというのはピン芸でよくありますが

戦う相手がまさかの自分の両手、というのは

個人的には好きでした。

オッサンぽいネタながらキャッチーで

不潔さやアクの強さもなく、

一人コントのお手本といった感じで良かったのでは。

三浦マイルド 「広島弁講座」

てっきり、広島弁といったら

「~じゃねえ」「~なんよ」というのをイメージしてたので

びっくりしました。(間違ってる?;)

笑い所としては、

・最初の説明と実際のフリップ内容のギャップ

広島弁の言い方

・冷静な青文字の説明

・例文の内容もよく考えるとおかしい

が挙げられるでしょうか。

まず、広島弁を言う際の変顔が汚い。

面白いより汚いという印象が勝って笑えませんでした。

変顔は、舌出して「ばァ~!」って勢いより、

細かな表情の変化で笑わせるのが醍醐味だと思うんですが。

冷静な説明と例文の内容もボケていたのか?

それなら例文の内容がもっとはじけてると嬉しかった。

広島弁で笑わせたいのか

例文の内容で笑わせたいのか、どっちつかず。

まとめると、フリップ芸ながら

笑い所を詰め込みすぎていた気がします。

少なくとも舌出す変顔は削って、

フリップ自体の精度を上げて欲しかった。

とはいえ、マイルドが評価されたのは

ピン芸人らしい「荒っぽさ」というか

「おっさん臭さ」が大きかったのでしょうか。

ヤナギブソンザ・プラン9) 「円グラフ」

本人もテンパっていたように、

3分間でやるにはもったいない、

キツいネタだったと思います。

どうしてもボードの付け外しに時間がとられるので、

他のテンポ早いネタと比べるとボケの数が少なくなる。

途中で噛んだりして

無理矢理次に流してしまってた様子からも

焦ってたんだろうなあ……

3分でやるには、無難にフリップに印刷して

シールをはがして

ボケを見せるような形にしておけば良かったのでは?

プラスマイナス岩橋 「ファンに絡まれる」

放送事故レベル。

本人の持ち味も全く出せていなかった。

まず岩橋氏のことを少しでも知っていないと

ついていけない内容だった上、

ネタの構成も無駄が多すぎ。

何回も聞き返す必要ないでしょう……

ネタというよりは

急きょ舞台に引っ張り出されて

本当に3分間喋っているだけという感じがした。

【Bブロック】

ヒューマン中村 「ぽい言葉」

フリップが豪華になってる!

決勝進出以来、R-1ルール改変の

トーナメント制の割りを食いまくってる

(面白いのに食われる)技巧派芸人さんですが、

今年はフリップ以外に

喋り方にもネタを込めるという進化っぷり。

昨年の「人の振り見て我が振りNow on sale」ような

衝撃は感じなかったのですが、

色々ありながら綺麗にまとめたなと。

2011年大会以来のファンなので

どうしても贔屓目に見てしまいますが。

三遊亭こうもり 「都々逸親子」

普通に上手いと思ったんですが……

審査でも空気でしたね;

「お笑い」というよりは

「芸」という扱いを受けた上、

地味な印象を拭えなかったんでしょうか。

それでも、0票ってことはないと思うんですが。

田上よしえ 「バーテンダー

大半が2ちゃんねるtwitterで流れてくる

ネタを延々つぶやきつづけるといった感じで、

どういうネタなのかよく分からなかったです。

バーテンダーのコントをしたいのか、

うまいことを言いたいのか。

発言の内容がもっと

バーテンダーというコントの状況に

沿ったものだと見やすかったのかと。

あと、オチの微妙さが大きく足を引きずった気がします。

桂三度 「ぽいぽいゲーム」

ネタ自体の面白さ以前に、

全体的に何をしているのか、

何を言っているのかわからなかった上、

落語の形式でやる必要もないのでは?

落語というよりコント「笑点」という印象を受けた。

芸風が迷走している;

ナベアツ時代の方がいいネタあったのでは?

【Cブロック】

キンタロー。 「R-1に出た前田敦子

色々な人のモノマネ+前田敦子+ダンス

どれもやる時間が短く

見せ方が中途半端……

消費され尽くしたどうこう以前に、

もっと前田敦子のモノマネの活かし方を追究するか、

それ以外のレパートリーを見せるかした方が良かったのでは。

少なくとも、ものまねとしては

大会に出てない他のモノマネ芸人さんの方が

見せ方はずっと上手だと思いました。

・スギちゃん 「ネタ仕分け」

昨年ブレイクしたことが

逆に足枷になってしまったのでは。

「何とか失敗しないようにしよう」という恐怖が表に出過ぎて、

肝心のネタが聞き取りづらくなったり、

一番肝心な「ワイルドさ」が失われてしまったように感じた。

「仕分け」はアイデアとしてはいいと思うが、

ネタのたびにいちいちコメントを挟まれて

ネタ自体に集中できなかった。

けっこうネタ自体は好きでした。

アンドーひであき 「モノマネアンドロイド」

まさに「芸」という感じで、

三遊亭こうもりはスルーされましたが

こちらはまさかの売れっ子二人を引き離し決勝進出。

1本目は笑い所も多かった上、

インパクトも大きかったのでしょうね。

雷ジャクソン高本 「自衛隊の秘密」

作家の有川浩さんに見て欲しいネタ。

人当たりは一番良かった気がする。

途中で噛んで流れが止まらなければ

良かったのですが。

個人的には好きだったんですが

敗因としてはネタの地味さと数の少なさか。

まあ、「コンビで売れなさい」という

笑いの神の導きなのかも。

【最終決戦】

3人全員ピン芸人

マイルドとヒューマンのピン仲間決戦が

まさか実現するとは思いませんでした。

三浦マイルド 「交通整理員の言葉」

一本目のフリップ芸はあんまりだったので

ネタを変えてきたのは

さすがピン芸人、と嬉しかったですが、

内容のなんというオッサン臭さ。

キャプテン渡辺の「クズ漫談」を彷彿とさせる

オッサンの一言一言は、

交通整理員を馬鹿にしてる、は言い過ぎですが

人を選ぶネタだろうな、とは思いました。

一本目の広島弁といい、

ネタにするものへの愛情というか、

気遣いがどうも感じられない。

そして2本目も汚い変顔は健在。

うーん、この変顔が受け入れられたら

全部面白くなるのだろうか?

ヒューマン中村 「しりとりで言い返す」

これまで大会で披露したフリップ芸の良さが

逆に足を引っ張ったか。

1本目と比べても

フリップの質や発想の斬新さが見劣りしてしまった。

前半ウケがいまいち+テンポも遅め、なのも敗因か。

ネタ初めにフリップの台詞を

先に言ってしまったのも影響したと思う。

今回のは2011年用に用意したネタなのかもしれないが、

個人的には2012年決勝でやる予定だった

「俳句バトル」を披露して欲しかった。

そっちならもっと前半からウケたと思う。

リターンズでやったから遠慮したのかな、悔やまれる。

アンドーひであき 「映画スターのアンドロイドものまね」

1本目であった「笑い」の要素が無くなり、

完全に「芸」の方向に走ってしまったような。

最初「映画ネタなのかな?」と思ったが、

全体のつながりも良くわからなかった。

いくらなんでもチャップリンは一般受けしないでしょう;

マイケル・ジャクソンなども「すごく」はあったが、

肝心の「笑わせよう」という姿勢があまり感じられなかった。

ボケとしては本当に「ガチョーン」くらいか。

どのネタも決定打を感じなかったので、

最終審査はマイルドとヒューマンで割れるかな、と思いきや

まさかの全員三浦マイルド

総評の「三浦の2本目、ネタの形式を変えるという姿勢に感動した」

(乱暴な要約ですが)とのことですが、

それで「ヒューマンとアンドーは1本目より落ちる、

じゃあマイルドで」と審査員全員が考えていたら嫌だなあ……

いつから最終審査って

消去法で選ぶようになったんだろうか……

単にヒューマン推してたんが負けて悔しいだけかもしれませんが、

やっぱり腑に落ちない結末ではありました。

じゃあ見るなという話(略

個人的に

あれだけメディアが推してたキンタロー。VSスギちゃんや

注目を集めた二人の落語家が

ほとんど爪痕を残せなかったのが意外でした。

また、こうもり氏やアンドー氏の進出により、

「芸の凄さ」を「笑い」として評価することにも

議論が起こりそうですね。

個人的には、やっぱり

まず笑いありきではないかと思います。

2009年のサイクロンZや

2010年のエハラマサヒロ辺りが

笑いと凄さのバランスを

取れていたのではないでしょうか。

R-1はどうも2010年以来から

なんか微妙になった気がします。

ゲラゲラ笑えた2009年のR-1が懐かしい……

まあ、2009年がそうじゃなかった、という訳ではないですが。

「お笑い」が好きというよりは

「お笑いのコンテスト」が好きなので、

正真正銘納得できる優勝、というものを

また目撃してみたいものです。

長文をお読みくださりありがとうございました。