しこうけいさつ24じ・広報部

カップリング二次創作の個人サークル「しこうけいさつ24じ」(代表:眠れる兎6号)の活動記録や、日々の雑記など。(Twitter:@nemureruusagi06)

詩『RE↓BIRTH』

所属する文学サークルの朗読企画に向けて書いた、

詩のようなものです。

夜は明けず、未だ

死ぬことにした

どこかで誰かが笑った気がする

どこかで誰かが潰された気がする

何度繰り返せば気が済むんだ

もう踊らされるのは飽き飽きだった

飛び降りがいいだろう

黒い沼底の中で思う

途端にまるで動かなかった

身体が外に転がり出た

灰色のビルの中はすべてが曖昧で

足を動かすのが面倒になって

エスカレーターを這ってよじ登った

蜥蜴みたいだなと一人呟いた

夜は明けず、未だ

屋上に出た

容赦のない冷気も今は心地よく

フェンスによじ登り支えを解く

淵に叩きつけられる身体

もう一度繰り返せば終われるのだ

不意に響く鈍い音

立ち上がり横を向くと

傍らに少女が棄てられていた

その姿に全身の血が引いた

服は無残に引きちぎられ

太腿は白濁に汚され

少女と目が合う

そこに自分自身を見つけてしまう

夜は明けず、未だ

飛び降りられずにいた

少し動いて落ちさえすれば良く

でも脳裏で何かが違うと囁く

たとえ自分が消えようが

自分以外はのうのうと存在し続けるのか

見下ろした街はどこまでも静かで

握り締めた手の震えが止まらなくて

胸に灯った火が燃え上がっていく

凍れる心を融かしていく

どんなに無力でも

どんなに変えることができなくても

許せなかった

認めたくはなかった!

夜は明けず、未だ

そして、僕は飛んだ

押し倒された彼女の身体

甲高い悲鳴が静寂を切り裂いた

僕の顔を殴りつける彼女の拳が

暗闇の中に舞い踊らせる赤

血と涙と唾液に塗れた

彼女と僕はいつしか笑い出していた

自分の中の確かな力を感じて

確かな痛みを感じて

このまま生きていくしかない

そう思い知るための行為

手を差し伸べることもなく

立ち上がり見上げた空はどこまでも遠く

これは何もかもを失った

君と僕に残された

骸をも灼き尽くす悪意

ただ一つの反逆の謳い