しこうけいさつ24じ・広報部

カップリング二次創作の個人サークル「しこうけいさつ24じ」(代表:眠れる兎6号)の活動記録や、日々の雑記など。(Twitter:@nemureruusagi06)

18禁ソフト『サノバウィッチ』 感想&レビュー

2015年2月27日に発売された18禁ソフト、

サノバウィッチ』(ゆずソフト)の感想記事です。

あくまで、勝手な個人の一意見です。

また、各ルートの一部ネタバレを含みますので

ご了承願いますm(__)m


一言でまとめると、

「全体的なクオリティが高く、

細かい不満はあるものの

買って良かったと思える作品」でした。

特に紬ルートは、ぜひとも人に勧めたいクラスで感動しました。

当方、これまで18禁ソフトは数作しかやったことがなく、

ゆずソフトの作品をプレイしたのも今作が初めてでした。

「絵はいいがシナリオがイマイチ」という前評判を聞いており、

この『サノバウィッチ』も設定からし

「抜きゲー」なのかな…という印象も当初はあったんですが。

調べてみて、作品への気合の入りように驚きました。

ヒロイン4人のキャラソンCDを発売したり、

発売までのカウントダウン宣伝動画や

SD4コマ動画をyoutubeに公開したり…

初回限定版の特典や店舗特典もかなりボリューミーで豪華。

特に目を見張ったのが、

OPの映像がフルアニメーションであったこと。

「こんなにも作品にこだわるエロゲーメーカーがあるのか!?」と

興味を惹かれ、人生初、中古でない新品のソフトを購入。

実際にプレイしてみても、随所にこだわりを感じました。

まず、単純にシステムが便利。

選択肢まで一気にスキップできたり、

好きなボイスをお気に入り登録して自由に聞くことができたり。

最新の18禁ソフトってここまで進化してるんですね…。

ストレス無く快適にプレイできました。

キャラの立ち絵の変化もすごいです。

セリフの途中でも表情が変わる、

縦や横に揺れることで動作を表現するなど、

そのキャラと本当に喋っているみたいに思えます。

中でも良かったのが、

ギャグシーンやほっこりシーンで挟まるSDイラスト。

可愛い上にコミカルな絵が面白く、

アニメを見ているみたいに楽しめます。

さらに、ムービーや音楽も凝っていて、

各ルートのエンディングごとに専用の映像・ボーカル曲があります。

(和奏ルートにはなんと2つ)

BGMもなかなか。

そして、肝心のシナリオですが、

想像以上にきちんとした恋愛ADVでした。

なかなかエロに行かず、むしろ焼きもきしたくらいです。

共通ルートは王道の学園生活という感じで、

人助けをする部活での活動を通じて、各ヒロインと仲を深めていきます。

主人公の父親や親友、担任など

魅力的なサブキャラとの掛け合いが楽しいです。

ギャグは下ネタが多めですが、自分はけっこう笑いました。

攻略対象のヒロインは5人。(寧々・めぐる・紬・憧子 +和奏)

各ヒロインとの性行為までには、

知り合って仲を深めて告白して…と丁寧な描写の積み重ねがあります。

ヒロインはみんな性格いいです。

相手の気に障ったと思ったら

すぐに謝罪の言葉を口にするような、

気配りのできる人ばかり。

さらに、全員何がしらかの料理ができる女子力の高さ。

加えて、ヒロイン同士も非常に仲良し。

どのルートでも、選ばれなかったヒロイン達は

みな積極的に恋を応援してくれます。

けっこう登場頻度が高いので、

別のルートで新たな魅力が見れたりも。

Hシーンについては、良くも悪くもエロ寄りです。

CGは素晴らしいのですが、テキストがあまり好みではないです。

エロだけが目当てなら何の問題もないと思いますが、

いちゃラブを望むのなら微妙かも。

全体的に男性優位で進み、

ヒロインもわりと淫語を乱用します。

(他にも「おかしくなっちゃう」とかいう表現がやたら出てくる)

主人公がS気質のため、

ヒロインを無理にイカせたり

きつく命令するものもあって、

中には見ていて引いてしまったものも数個ありました。

エロゲーの中では愛のある方でしょうが)

とはいえ、エロを抜きにすれば

どのルートのシナリオもわりと楽しめたので、

そこまで酷いルートは無いと思います。

攻略順ですが、

一番大団円な終わり方の寧々ルートは

最後にした方がいいかもしれません。

あと、和奏ルートは

誰か1人を攻略するまで入れないです。

以下、攻略した順番にルートごとの感想を書き散らしていきます。


☆めぐるルート

【シナリオ】

内容自体は非常にシンプルで、

ひたすらめぐると主人公の恋愛話です。

そこに、魔法の話とめぐるの過去が少しだけ絡んできます。

話は単純なんですが、

二人の感情が細かく掘り下げられているので

わりと面白いシナリオでした。

一番キャラ萌えできるルートかも。

まず、めぐるルートに入るための共通ルートのイベントが素敵。

ぼっち飯をしていためぐるを気遣って主人公が昼食に誘ったり、

二人で映画を観ることになってめぐるが照れまくったりと。

最初にめぐるに惹かれる人も多いのではないでしょうか。

ルートに入ってからも、初めての恋に悩むめぐるが

部室で占ってもらうシーンとかニヤけっぱなしでした。

アンジャッシュのコントみたい。

主人公がめぐると親しくなる中で、

めぐるのかつての親友、「ちーちゃん」の存在が明らかになります。

ある日突然、ちーちゃんは

めぐるに何も言わないまま行方知れずになってしまい、

それがめぐるのトラウマとなっていたのです。

自分のせいでちーちゃんはいなくなってしまったのではないかと。

普通のギャルゲーなら

親友と再会する所までシナリオを膨らませるのでしょうが、

本作では会わないまま結構あっさりと終わります。

めぐるのトラウマは解消できたので

会わないことに異論はないんですが、

ちーちゃんが今どうなってしまっているのかがモヤモヤします;

願いが叶った時点で“代償”は消えて

それ以上記憶はなくならないはずなので、

両親と新たな関係が築けているとは思うのですが。

そして、過去を打ち明けてくれためぐるに対して、

主人公も自分の能力(人の感情を五感で感じ取れる)を

打ち明ける決意をします。

個人的にその場面がイチオシで萌えます。

めぐるってホントいい娘や…としみじみ感じさせてくれます。

このルートの山は、二人が恋人関係になるまでの前半部だと思います。

恋愛に不慣れな二人が

手探りで関係を深めようとする感じがたまらんです。

あと告白シーンでめぐるにハンマー振り下ろす紬が

リア充滅べえええ!!」的な光景に見え

反面、めぐると主人公が付き合うようになってからは

大きな展開もなく、ひたすら二人がイチャつくだけなので

正直ダレます。

といいますか、あまりのイチャつきように不安になってきます。

「3日で飽きるやろこれ」ってくらい過剰にイチャつくので、

「別れそうやなあ…」といらん心配が。

主人公が自分の能力を受け入れ

昇華できた所で話は終わるのですが、

その展開に思わず笑ってしまいました;

いや、ダイレクトな結晶て!

指輪とかアクセサリーにできんかったのか。

とはいえ、エンディングの映像で

3DWにその結晶が浮かぶ演出はステキでした。

【Hシーン】

一番最初のHが萌えます。

お互いの欲望をさらけ出して夢中になっていく感じです。

あと冒頭で主人公が

自分が何をしたいのか告知する姿勢には

好感が持てましたけどね

主人公の無茶な要求にも

めぐるは積極的かつ明るく応じているので、

そこまで不快な感じはしません。

CGも笑顔が目立ちます。


☆紬ルート

【シナリオ】

いやはや、普通に面白かったです。

個人的には名シナリオだと思います。

本作のルートの中でも一番ストーリーの起伏が激しく、

新しい展開が次々と起こります。

そのため、「続きはどうなるんだ!?」と

最後まで中だるみせずに楽しめました。

ストーリーに深く関わってくるのが、

紬のアルプ(魔法の契約相手)である少女「アカギ」です。

子供っぽく勝手なキャラで、最初はイラっとさせられる事もありますが、

これがまたいい奴なんですよね……

このルートの特徴として、紬と主人公の恋愛関係の他に、

紬とアカギの絆も主軸に置かれています。

他にも、主人公と彼の父親、太一の絆も描かれていて、

家族愛の要素も含んでいます。

中でも、太一の「どじょうすくい」のエピソードには

思わず目頭が熱くなりました。ズルいわお父さん(泣)

さて、各ヒロインのルートに入るためには

共通ルートで好感度を上げる選択肢を選ぶ訳ですが。

紬の場合、ダイレクトに好感度へ関わる選択肢はなんと一つだけ。

勉強会で紬に話しかけつつ、他のヒロインの好感度を回避すれば入れます。

紬さん、君はそれでいいのか。

とはいえ、恋愛描写の破壊力は非常に高いです。

まず、紬ルートの導入部、ハロウィンパーティーでのイベント。

「女の子らしい恰好ができない」という魔女の代償のせいで

コスプレができず、残念がる紬。

それを見て、主人公は

魔女の衣装でもできるコスプレをさせてあげた上に

コスプレコンテストの投票用紙を直接本人に渡すという、

なかなかニクい演出をします。

その時の紬のリアクションがまた可愛らしい。

そこから二人はお互いを意識し始め、

心の調子を崩した主人公に対して

紬がつきっきりでケアをすることに。

主人公の頭を胸元に抱き寄せ、甘えさせてあげたりします。バブみ

ひょんなことから遊園地のチケットを2枚貰い受けた主人公は、

思い切って紬をデートに誘います。

しかし、予想に反して断られてしまい、

ショックで風邪をひいて、自室で寝こむ主人公。

そこに、フラれたはずの紬が現れ、献身的な看病をしてくれます。

誘いを断ったのは、主人公が嫌いだからではなく、

魔法の“代償”で女の子らしい恰好ができないから。

デートなのに可愛い恰好ができない事を気にしていたのです。

他にも、デートといった女の子らしいことをしても

代償が発動する危険があるから、と心配する紬。

この「女の子らしい恰好ができない」という“代償”を

「女の子らしいこと全般ができない」に昇華させたのは巧いなと思いました。

そこで、主人公はアカギと取引し、

紬の代償を自分が肩代わりして

デートの間だけ、紬が女の子の恰好をできるようにします。

……そんなん出来たんやったら

まず寧々さんにやってあげようぜ。

そして、遊園地デート当日。

初めて女の子の恰好をしてきた紬の可愛さたるや、凄まじい衝撃です。

それまでの立ち絵のイメージがガラリと変わりました。

ここまで多彩な印象を与えてくれるヒロインも少ないのでは。

そこで気付いたんですが、髪を下ろした紬って

リトルバスターズ!』のクドと似てるんですよね。(瞳や髪の配色がほぼ同じ)

そりゃ可愛い訳だ。

互いに告白し、晴れて恋人になれたと思ったのもつかの間。

取引の代償として、なんと主人公はくまのぬいぐるみに変身し、

人間の姿に戻れなくなってしまいます。

身動きどころか、喋ることすらできない状態に陥り、

主人公は自分の安直な判断を悔やみます。

突然主人公がいなくなった寂しさを紛らわすため、

くまのぬいぐるみを抱きしめて眠る紬。

その時、唐突に主人公が元の姿に戻ります。紬驚愕。

どうやら、一日のうち数時間だけ主人公は元の姿に戻れ、

その間は紬の代償も発動しない状態になった模様。

そんな無茶な取引を勝手にしたことに怒る紬ですが、

主人公が人間でいられる間は精一杯恋人らしく過ごす事にします。

紬の「女の子らしいことが自由にできない」という代償に、

主人公の「決まった時間にしか人間に戻れない」という制約。

それらがあるからこそ、甘い恋愛模様の中にもどこか切なさが。

効果的ないい設定だと思います。

以降のネタバレは控えますが、

その後もジンと来る場面が多いです。

例えば、酷い言葉を並べるアカギに対し、

「どうして無理するの?」と紬が泣いて思いやるシーンなど。

アカギへの愛情の深さを感じます。

どのルートでも、主人公は何かしらの形で

過去の自分や能力と向き合うのですが、

一番主人公の成長を感じるのもこのルートでした。

クライマックスシーンでの主人公の叫びは、なかなか胸に来るものがあります。

終わり方もいい感じで、

やり終えた後に一番充実感を味わえるルートでした。

【Hシーン】

エロさだけで言えば

他のルートよりもやっていることは控えめですが、

個人的には良かったです。

???「ほー いいじゃないか

   こういうのでいいんだよ こういうので」

S気味の主人公が攻め側なのは変わらないんですが、

どこか紬の方がリードを握っている雰囲気があるんですよね。

加えて、普段のキャラが崩れ過ぎていないのも良かったです。

特に、紬のAFTER(ルートクリア後に見られるおまけ)は完璧でした。

Hに入るまでの導入部も非常にときめきましたし、

読了感もとても良かったです。

相手を思いやる言動も他ルートより多い気がして、

めぐるルートのHシーンと同じく、安心して見られました。

まあ、自分みたいな変にこだわる人間を想定して、

意図的に控えめで書かれているのかもしれませんが。

ただ、主人公の避妊を気にかける言動には驚きましたが。

その割に他のルートでは容赦なく出しまくってるような。

今更感が。


☆憧子ルート

【シナリオ】

全体的にリトバスの来ヶ谷ルートっぽいです。同じキョヌーのお姉さん枠だし

いろいろな設定をうまいこと使ったルートだなと思いました。

主人公の能力が通じない(感情が読めない)から

逆に主人公が興味を持つところとか。

そういうやり方もあるのね。

設定は凝っていて面白いのですが、

話の流れ自体はけっこうシンプルです。

不満はないのですが、

もう少し肉付けして欲しかったような気もします。

CGについて言うと、

Hシーンよりも日常シーンのCGの方が破壊力が高い印象です。

ハロウィンの衣装やエプロン姿をはじめ、

パフェを差し出しながらの笑顔とか反則級。

「ようがす」や「まーかせて」など独特の口調が可愛らしい、

お茶目で頼れるお姉さんというイメージが強い憧子。

個別ルートでは、そんな彼女の弱さも明らかになります。

自分に自信が持てないという、

コンプレックスキャラ好きにはどストライクな一面が。

そこから恋愛描写に入っていくのですが、

告白に至るまでの流れが微笑ましいです。

お弁当を交換し合ったり、部屋で一人思い出し笑いをしたり。

憧子と主人公の言葉が被ってしまい、笑い合う所とか好きでした。

告白の際、憧子に禁断の片思いをしていた

越路さんへの配慮があったのも良かったです。

存在をスルーしてルート入るのかなあ、と思ってたら

きっちり心情を描いてくれていたので。

付き合い始めてからも

微笑ましい恋愛描写が続くのですが、

後半に少し衝撃の展開があります。

それでも献身的に憧子を支え続ける主人公は

男らしくて良かったです。

ただ、その辺りから次第に

主人公がオラオラ系っぽくなります。

落ち込む憧子を奮い立たせるためなのですが、

「いいから黙れ」といった台詞には

初見時にはちょっと抵抗を感じました。

あと、一緒にAVを鑑賞したりと、

ルート全体で下ネタが多いです。

いくらネタとはいえ、恋愛ADVで

「アヘ顔」「ダブルピース」なんて不快な言葉を使わないで欲しかった……。

【Hシーン】

エロいです。CGもクオリティ高いです。

繰り返しになりますが、エロさは問題ないです。

ですが、個人的にテキストが

あまり好きにはなれませんでした、特に後半。

色気の多いヒロインなので

よりエロくなるように書いたのかもしれませんが、

喘ぎ声とかが過剰な気がします。

行為中のキスも一回もありませんし。

特に、AFTERのHシーンはもはや不愉快なほどでした。

嫌がる憧子を無理やり何度も絶頂させた上、

「何が何でも妊娠させる」といった下品な選択肢。

CGとテキストの内容が全く合っていません。

主人公の口調が丁寧口調だったのもかえって気持ちが悪く、

安っぽいエロ同人誌を読んでいるような気持ちになりました。

いくら憧子にS好き設定があるとはいえ、ちょっと酷すぎます。

憧子ルートそのものの感動をぶち壊しにされたようでした。

一番嫌だったのは、「妊娠」という言葉が

単なるエロの材料にしか使われていなかった事です。

冷静に見直してみれば、他のHシーンとそこまで差はないのかもしれませんが、

AFTERの導入が非常に良かっただけに、余計に残念でした。

(主人公が社会人になり、正式に憧子へプロポーズする)

個人的には、プロポーズ後という設定であるならば、

Hシーンはほどほどにしつつ、

二人一緒に横になりながらピロートーク

(どんな子供が欲しいか、どんな子供に育てたいかなど)を挟んで

ほっこりした終わり方にするか、

たとえ一晩中するにしても、憧子リードの形が良かったです。

あるいは、もう数年後なんて無理はせず、

めぐるや紬のAFTERのように、

ハロウィン衣装を着た憧子とのライトなHで良かったのではと思います。

憧子だけ、唯一ハロウィン衣装のHシーンがありませんし。


☆和奏ルート

【シナリオ】

本作のサブヒロイン枠。そのため、

話はやや短めですが、綺麗にまとまっています。

ハロウィンパーティでのライブ演奏に向けて二人で練習するうちに

友達から恋人関係へと発展していく王道ラブストーリーです。

普段はサバサバしているけれど、アルバイト先の喫茶店では

可愛いウェイトレス服姿で丁寧な言葉遣いという、

萌えポイントの高いキャラなので、ルートがあるのはありがたいですね。

個人的にジト目の表情がたいへん好きです。

どのルートでも主人公の相談・励まし役だっただけに、

和奏自身が恋にわやわやしているのが新鮮で楽しめました。

また、ルートの中で、和奏と主人公が昔同級生だったという

意外な事実も明らかに。幼なじみ萌え、とは少し違うか。

練習に打ち込む主人公を気遣い、

作ってあげた弁当の見栄えが悪いというのもいいですね、

不慣れでも頑張った感が尊い

このルートを選んだ場合、パーティ当日の演奏内容が変化。

なんと、専用の映像付きで三人での演奏を聴くことができます。

その後、まさかの公開告白。

そしてクラスメイトに「ブレイブマン」呼ばわりされる主人公w

「ねえ、ブレイブマン」

「仮屋、俺たち別れよう」

このくだりがメチャメチャ好きですww

ノリがいいのも和奏の魅力ですね。

【Hシーン】

CGが全体的になんか綺麗です。

特に初めての時のCG、陰影の艶めかしさがハンパない。

というか、3つもあることに驚き。

AFTERは事前に危惧していた通り、やはり店内H。

七緒さんが覗いているのもお約束。

和奏「あの体位……あたしゃベースか!」


☆寧々ルート

【シナリオ】

寧々の願いを主軸に置いた、わりと壮大なストーリーです。

途中のある演出には痺れました。

まさか『サノバウィッチ』にこんな展開があるとは。

詳しくは控えますが、寧々さんのド根性と愛の強さに度肝を抜かれます。

サラッと書かれてますが、

よくもまあ諦めずにそこまで頑張れたなあ……と、ただただ感嘆です。

というかもっとSっ気のない人を新しく探した方が良かったんでは

一時はどうなってしまうのかと思いましたが、

心の欠片をあんな風に使う発想には目を見張りました。

少しご都合主義のきらいはありますが。

ただ、「え、もう解決するの?」感は否めませんでした。

もっと先に引っ張って、寧々の想いや苦難の道のりを克明に描いていけば

神シナリオになった気もするのですが。

あと、地味に気になるのが、

一周目の終わりに出てきた寧々さん誰やねん問題。

二周目の寧々さんなのか、

世界のつじつまを合わせるために生み出された別の寧々さんなのか。

あるいは、もっと単純に、

一周目世界に残された主人公にも

寧々と結ばれる希望が残っていることを示したかったのかも。

一番大きな問題が解決した後は、めぐるルートと同じ感じで、

ひたすらイチャイチャとHシーンが続きます。

デートとかイチャイチャの場面は嬉しかったんですが、

Hシーンはこんなに必要だったんだろうか。

それでも、シナリオの最後にはホロリと来る場面があります。

シナリオ全体の印象としては、普通といった感じです。

寧々の想いの強さは感動的なんですが、

あっさり終わってしまったために

どうもそれが伝わり切らず、惜しかったです。

あとの見どころとしては、憧子でしょうか。

寧々を優しく見守りつつ、ためになる助言をしてくれるので、

本当に頼れる先輩です。憧子△。

「相手に好きでいてもらい続けるために努力するのが恋愛(意訳)」とか

モニター前で「それな」「ほんまそれ」ってなってました。

【Hシーン】

主演ヒロインだけあって、9つもあります。

憧子ルートほどではないですが、ローター使ったプレイとか

引いてしまうものもありました。

“発情”という設定がある時点で仕方ないし

お門違いな指摘ではあるんですが、

淫乱みたいな書き方がされているのはいただけなかったです。

「本人らが合意の上でやってるならそれでえーやんけ」とも思うのですが、

なんだか“好き”という言葉を建前にして

酷いプレイを正当化している感じを受けてしまうのです。

そもそもエロゲーにこんな事言うのがズレているのでしょうが。

やっぱり、エロさとラブラブさの両立って難しいです。


色々言いましたが、エロ目当てなら買い、

恋愛描写目当てでもけっこう楽しめると思います。

18禁ゲームとしての完成度が高いので、

エロゲー」がやりたい人には胸を張ってお勧めできる作品です。

とりあえず、これからは日常会話に「ちゃろー」と

「お家帰るぅ」を取り入れていきたいです。

長文をお読みくださり、ありがとうございましたm( )m

↓よろしければこちらもどうぞ

  ※pixivの作品ページへのリンクです

憧子アフター★Cosplay Mix(サノバウィッチ二次創作小説)